これは私の身のまわりの大切な人達の心の中に、私が見つけてきた光景です。

光と空気とが共鳴し、刻まれていく世界。 それは、その人にも私にもどうしようもない感情をはらみ、

ともすれば一瞬でか き消されてしまうようなものでした。

自分の為に描くという行為とは別に、他者の想いを感じとって版の上で共鳴させ られたなら。

あなたの心の中に、私も同じ風景を見ていたのだと、版に刻むこと で表現していきたいと思いました。

版画を学び、私は言葉以外のコミュニケーションツールを得たのです。

そのことは私が美術、そして版画という技法を選んだ１番の理由だったと思います。