教育学部３号館の中には、土間と言われる土が敷き詰められた部屋があります。

1年間卒業制作の作品と向き合い、日々土や金属と触れ合っている間、 型を造る赤い土や緑青の緑が

私に与えたインスピレーションは、子供の頃に泥遊びをして遊んだ場所や、過ごした森の中の風景でした。

大学の中の土の匂い、それは、私が今まで生活してきた場所と大学の中にある土間が一つに繋がった瞬間で、

そういう自分の記憶をこの作品を使って形に残したいと思いました。

記憶は 時が過ぎると変化し忘れるものです、その中のひとかけらをたまに思い出しまた忘れてゆきます、

緑に埋もれていく私の記憶や思いは、やがては自然と同化し忘れ去られることを待っています。

今回の作品を通して、個人的な作品ではありますが、それまでの途中の風景を観ていただければと思います。